Complete text -- "物事は振り出しに戻ったようである"

22 June

物事は振り出しに戻ったようである

さてさて、サロマ湖100kmまであと6日。前回ブログを書いてからほぼ1週間、あっという間である。そして1週間で物事は振り出しに戻ったようである。備忘のために振り返っておく。

16日(火)。朝から夜までばっちり仕事、家に帰った時には日付が変わっている。それでもつねにどこかでサロマ湖のことを考えている。というか自然にサロマ湖のことを思い浮かべているという方が正解だろう。気になる女の子の顔や、イヤな上司の顔や、もう戻れない過去の日々が自然と思い浮かぶように。

17日(水)。午前中に10kmほどランニングをする。軽く流しただけだが、タイムは55分程度。1kmを5分30秒で走ったことになる。おまけに気がついたら走り終わっていた。疲れもまったくない。悪くない。悪くないどころか、とても良い。長い距離を走れるようになるためには、距離や時間の感覚が変わってこなければならない。「ついさっき走り始めたばかりだ」という感覚をどれだけ長く維持できるかが大切だ。フルマラソンでは最低でも30kmはそういう走り方が出来ないと、タイムを云々することは出来ない。ウルトラマラソンでは、最低でも42.195kmまではそういう感覚で走れねばならないだろう。何せフルマラソンのゴール地点がウルトラマラソンのスタート地点である。
午後から仕事。帰宅は日付が変わってから。

18日(木)。朝から仕事。少しずつ、疲れがたまってくるのを感じる。肉体的にも精神的にも。それでもサロマ湖マラソンのことを考えるようにしている。集中力を高める、という言い方をするが、僕には高めるほどの集中力はまだない。文字通り、力を集中させている段階だ。合気道の稽古後に箒で道場を掃除するようなものだ。丁寧に、丁寧に、少しずつゴミや埃を真ん中に集めていく。勢いよくやろうとすれば、まわりに飛び散ってしまうし、窓から強い風が入ってくれば一瞬ですべてが吹き飛ばされてしまう。風が吹けば飛んでしまう埃やゴミのようなわずかな力を集めている、そんな段階である。

夜には合気道の稽古。本当は2時間の稽古だが、わざと遅刻して1時間だけの稽古にする。2時間、合気道に集中する力は残っていないからである。稽古が終わって、箒で道場を掃除する。そして何人かの人にウルトラマラソン頑張ってと声をかけられる。来週はレース直前なので合気道の稽古は休むからだ。

19日(金)。朝5時半に起き、道志の森キャンプ場まで車で行く。仕事先のリーダー養成キャンプ・野外編に参加するためだ。1泊2日のキャンプでリーダーとしての力を身に付けるというものだ。昨年の同時期に続き2度目である。朝9時には現地に到着し、テントを張ったり、火をおこしたりする。途中、少し時間があったので、竹を切って水鉄砲を作ったりする。子どもたちへのお土産である。夕食をとり、プレゼンテーションや質疑応答をする。真っ暗な森の中、ランタンに集まるたくさんの虫、川の流れる音、ふだんとは違う時空だ。夜中過ぎまで焚き火をする。

20日(土)。8時ごろまで寝ている。キャンプにしては寝坊だ。朝食を済ませ、撤収作業に入る。トカゲを見かける。追いかけて素手でつかまえるが、虫かごの隙間から逃げてしまう。水鉄砲と併せて子どもへのお土産にしようと思っていたのに残念だ。11時すぎに解散。早々に帰宅しランニングをするつもりだったが、どっと疲れがでる。いつの間にか眠ってしまう。地面の固さを感じるテントでの眠りで疲れを取ることは出来ない。

21日(日)。あたかも春一番が吹いたかのように、少しずつ箒で集めていた力が一気に吹き飛んでしまった。おそらくキャンプが原因である。肉体的にも精神的にもマラソンとまったく違う。その間、サロマ湖のことは思い浮かばなかった。何かが「ぷつん」と切れてしまったような気がする。やれやれ、一からやり直さねばならないようだ。こういう時は、とにかく走るに限る。体の方からスイッチを入れ、心の方を引っ張って行く。

しかし朝から雨が降っていて走れない。予定では長めの距離を走る最終日のはずだった。最終調整の予定まで狂ってしまった。物事は上手くいかないものだ。珍しくイライラしてくる。家族から話しかけられても応えに余裕がない。ウルトラマラソンに意識を集中しようとしているのに、どうして関係のないことを尋ねてくるのだという気になる。もちろん自分が間違っていることはよく分かっている。よく分かっているから、それほどひどいことにはならない。子どもが寝る時にはきちんと本を読んで1日を終える。

そして本日、22日(月)。昼休みを長めにとり、20km走る。途中、雨が降り出し、雨の中を走る。(やがてサロマ湖マラソンを振り返った時に、雨の日にもトレーニングをしたものだと懐かしく思える日が来るかもしれない)。予想通りひどいものである。精神にも張りがないし、体も重い。タイムは2時間15分、1週間前には1時間55分だった。20分も多くかかっている。おまけに前回の2倍くらい疲れている。時間がかかった上に疲れ方もひどい。今日のコンディションなら間違いなく途中で走れなくなるだろう。少なくとも途中の制限時間に引っかかってしまうだろう。

何が足りないのだろう。どこで間違ったのだろう。このままで大丈夫なのだろうか。そんなことを考えながら走る。汗と雨が混じり合い、顔を流れていく。迷っている。残り数日、走り込むべきか、体を休めるべきか。迷っているが、不思議と不安はない。迷っているということは、サロマ湖のことが頭から離れないということだ。自然とそのことを思い浮かべるということだ。力が集まってくるということだ。

もう一度やり直そう。しっかりと箒を握りしめ、埃やチリやジャンクなものを集められるだけ集め、風に吹き飛ばされないように大切にサロマ湖まで持って行き、その力をオホーツク海に解き放とう。
20:58:27 | tonbi | |
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